フレンチブルドックの起源については様々な説がありますが、イングリッシュブルドッグが原種の一つとして重要であるという説が定着しています。おそらく1860年ごろ、イギリスに沢山いた愛玩種の一つである小型ブルドッグがイギリス人に注目されることなく、フランスへ移民して来たレース職人達によりフランスへ多く連れてこられ、そこでさまざまな他犬種と交配されました。
19世紀も終わりになると、上流階級の人々からも注目を集めるようになり、たくさんのフレンチブルドッグがすばらしいお屋敷で飼われることになります。
ちょうどその頃フランスに来ていたアメリカ人がこのフレンチブルドッグという犬種に目をつけ、何頭かのフレンチブルドッグが初めてアメリカに持ち込まれ、熱心に繁殖されました。
1898年には、ニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルで単独ショーが開催され、現在のスタンダードによるフレンチブルドッグが公開されました。
その上品で優雅なショーは、お金持ちの観衆を魅了し、フレンチブルドッグはアメリカ人たちを完全に虜にしてしまいます。かの有名な大富豪ロックフェラーがこよなく愛したというのも有名な話です。
その後も上流社会での人気は上昇し続け、1913年にはアメリカで人気ナンバーワンのショードッグにフレンチブルドッグが輝くことになりました。
- そしてアメリカにおいてスタンダードに「バットイヤー」(コウモリ耳)と呼ばれる「立耳でなければいけない」という項目が決められました。それまでは立耳だけでなく垂れ耳のものやブルドッグのような「ローズイヤー」のものもフレンチブルドッグとされていましたが、後に他の国々もアメリカのスタンダードに追随し「バットイヤー」がフレンチブルドッグの大きな特徴のひとつになりました。
フレンチブルドッグがアメリカで確立された犬種であるという人もいますが、実際は「バットイヤー」をスタンダードにしたのがアメリカであるというだけでこの犬種そのものはフランスにおいて改良され作出された犬種であることは間違いありません。
現在、日本でのこの犬種は主にペットや家庭犬として飼育され、愛情深く、気立てが良く、頼りにもなります。またフレンチブルドッグは遊び好きの明るい性格で、無駄吠えもほとんどしません。サイズはコンパクトで室内向き、なめらかで短い被毛は手入れも楽で清潔を保ちやすいとされます。 フレンチブルドッグの魅力は一度でも飼ったことのある人であれば他の犬種に物足りなさを感じてしまう程だと言われます。
付き合えば付き合うほど奥深さに 引き込まれ愛してしまう犬種なのです。